現在、民間企業の障害者の法定雇用率は2.2%ですが、2021年4月までには2.3%へ引上げられることが、すでに決まっています。そのため、今後、これまで以上に障害者雇用の促進に向けた企業の動きが活発になるでしょう。そこで、今回は、先日公表された「令和元年 障害者雇用状況の集計結果」の中から、実際の障害者雇用状況を確認しましょう。

 

1.障害種別の雇用状況
民間企業の障害者の法定雇用率2.2%から計算すると、常時雇用労働者45.5人以上の企業は少なくとも1人以上の障害者を雇用することが求められます。実際に、その対象企業で雇用されている障害者の数は560,608.5人で、前年より25,839.0人増加し、16年連続で過去最高となりました。実雇用率は2.11%(前年は2.05%)で、8年連続で過去最高を記録しています。
この障害者の内訳は以下のとおりであり、いずれも前年より増加し、特に精神障害者の伸びが大きくなっています。

身体障害者 354,134.0人(対前年比2.3%増)
知的障害者 128,383.0人(同6.0%増)
精神障害者 78,091.5人(同15.9%増)

 

2.法定雇用率達成企業の割合
法定雇用率を達成している企業の割合をみてみると、48.0%と前年の45.9%から2.1%増加という結果になりました。これを企業規模別にみると、下図のようになっています。すべての規模で前年より増加し、特に1,000人以上の規模については、前年の47.8%から54.6%に大幅に増加しています。※図はクリックで拡大されます

 

3.法定雇用率未達成企業の状況
一方、法定雇用率未達成企業の数については、全体で52,991社となっており、このうち、障害者を1人も雇用していない企業(0人雇用企業)は30,638社で、未達成企業全体の57.8%を占めています。
また、企業規模別に障害者不足数をみてみると下表のようになっています。例えば、100~300人未満の規模では、2,383社で「2.5人または3人」の不足がある状況です。※図はクリックで拡大されます

この障害者雇用率制度は、週所定労働時間が20時間以上の障害者をカウントの対象としていますが、週所定労働時間が20時間未満の障害者の雇用を支援するために、2020年4月より政府は特例給付金制度を設け、カウントの対象にならない企業にも、給付金が支給される予定です。今後の最新情報を継続的に確認していきましょう。

■参考リンク
厚生労働省「令和元年 障害者雇用状況の集計結果」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08594.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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