民間企業における障害者の雇用状況
先月、厚生労働省から「令和3年 障害者雇用状況の集計結果」が公表されました。
法定雇用率は2021年3月より2.3%に引上げられており、従業員数43.5人以上の規模の企業において障害者を雇用する義務が発生しています。
以下では、実際の障害者雇用状況を確認しましょう。
1.障害者雇用数と法定雇用率達成企業
民間企業で障害者の雇用義務のある43.5人以上規模の企業で雇用されている障害者の数は597,786人で、前年より19,494人増加し、過去最高となりました。
実雇用率も2.20%(前年は2.15%)で過去最高を記録しています。
一方で、法定雇用率を達成している企業の割合は、47.0%(前年は48.6%)となり、減少しました。
これを企業規模別にみると、43.5~45.5人未満で35.1%(前年は報告対象外)、45.5~100人未満が45.7%(前年は45.9%)、100~300人未満が50.6%(同52.4%)、300~500人未満が41.7%(同44.1%)、500~1,000人未満が42.9%(同46.7%)、1,000人以上が55.9%(同60.0%)となり、すべての規模の区分で前年より減少しています。
2.法定雇用率未達成企業の状況
法定雇用率未達成企業の数と障害者の数が0人である企業数をみると、下表のようになっています。
そもそもの母数となる企業数に違いがあるため、一概には言えないものの、企業規模が大きくなるにつれて、様々な業務が発生し、障害者が活躍する場が増えるとともに、障害者の雇用状況が一定の基準を満たしていないときには企業名公表が行われることもあり、コンプライアンス意識の高まりから雇用が進んでいると考えられます。
表 規模別の法定雇用率未達成企業数
障害者の法定雇用率は5年に1度、見直しが行われており、次回は2023年4月の予定になります。
その雇用率がどうなるかはまだ分かりませんが、法定雇用率のさらなる引き上げも考えられます。
雇用している障害者が自己都合で退職したり、定年退職となったりするケースも発生します。
法定雇用率未達成の企業を中心に雇用の確保に向けた取り組みを進めましょう。
■参考リンク
厚生労働省「令和3年 障害者雇用状況の集計結果」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_23014.html
厚生労働省「障害者雇用率制度」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaisha/04.html
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。