2021年度に13.97%まで上昇した男性の育児休業取得率
先日、厚生労働省から「令和3年度雇用均等基本調査」(以下、「調査」という)の結果が公表されました。この調査は、男女の均等な取扱いや仕事と家庭の両立などに関する雇用管理の実態把握を目的に、厚生労働省が毎年実施しているものです。以下では、この調査結果の中から男性の育児休業取得率と育児休業の取得期間、そして法改正により10月より始まる産後パパ育休についてとり上げます。
1.男性の育児休業取得率と育児休業の取得期間
男性の育児休業取得率は2020年5月29日に閣議決定された少子化社会対策大綱で、2025年に30%という数値目標が立てられており、目標達成に向けて政策の実施が進められています。今回の調査結果を見ると、2021年度の男性の育児休業取得率は13.97%となり、2020年度の12.65%から1.32ポイント上昇し、調査以来、過去最高となりました。調査の中で注目すべきは育児休業の取得期間(2020年4月1日から2021年3月31日までの1年間に育児休業を終了し、復職した男性の育児休業期間)であり、その割合を2015年度、2018年度と比較してみると、下表のようになります(※表はクリックで拡大されます。)
男性の育児休業に関連する出生時育児休業(産後パパ育休)の制度が2022年10月1日よりスタートします。この産後パパ育休は、原則2週間前までに申し出ることで、子どもの出生後8週間以内に4週間を上限として取得できる新たな育児休業です。2回に分割して取得できるほか、労使協定を締結することで、会社と従業員が事前に合意した範囲で産後パパ育休の期間中に働くことができるという特徴があります。従来からある育児休業よりも柔軟性のあるものであることから、今後、この産後パパ育休への関心が高まることが予想され、従業員がその取得について相談してくるケースが増えてくるでしょう。また、10月1日からは育児休業中の社会保険料の免除の仕組みも変更となります。
このように10月は育児休業に関連する制度が大きく変わるタイミングとなりますので、まずは制度の内容を理解し、従業員から質問があった際にはわかりやすく説明できるように準備をしておきましょう。
■参考リンク
厚生労働省「令和3年度雇用均等基本調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-r03.html
厚生労働省「育児・介護休業法について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html
日本年金機構「令和4年10月から短時間労働者の適用拡大・育休免除の見直し等が行われます」
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2022/0729.html
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。