全国健康保険協会(以下、「協会けんぽ」という)では、健康保険の被扶養者になっている人について、毎年一定の時期に被扶養者の要件に該当しているかの確認を行っています。今年度は、10月上旬から11月上旬にかけて確認のための被扶養者状況リストが送付されています。今月中には提出が必要ですので、再確認の実施状況とその際の注意点をとり上げます。

 

1.再確認の目的と2021年度実施の状況
健康保険の被扶養者は、健康保険料を支払うことなく、一定の保険給付が受けられます。そのため、要件に該当しない被扶養者が被扶養者となっていると、医療費および高齢者の医療費への拠出金が不当に高くなり、保険料が増加することとなります。被扶養者資格の再確認は、それを防止する目的で実施されています。
昨年度(2021年度)実施の際には、被扶養者から削除となった人は約7.3万人(2022年3月31日現在)となっており、結果、9億円程度の前期高齢者納付金の負担削減効果が見込まれたと公表されています。被扶養者から削除となった主な理由としては、「就職して健康保険の資格を取得したものの、被扶養者から削除する届出を年金事務所へ提出していない」というものが大半でした。

2.再確認時の注意点
再確認は協会けんぽから会社に送付されてくる状況リストに従い、被扶養者の要件を満たしているかについて、書面や口頭で、各被保険者(従業員)に対して行われます。
再確認時の注意点として、被保険者と別居している被扶養者がいるケースでは、仕送りの事実と仕送り額の確認できる書類を提出する必要があります(※)。具体的には、振込の場合は預金通帳の写し、送金の場合は現金書留控えの写しを提出する必要があります。預金通帳の写しを提出する場合で、仕送りとは関係のない箇所が見られたくないときはマスキング(黒く塗りつぶす等)をして差し支えありません。
また、医療職の被扶養者が新型コロナウイルスワクチン接種業務に従事したことによる給与収入は、特例により被扶養者資格再確認時の収入には算定しないことになっていることから、このような従業員の家族の状況を確認する必要が発生するケースもあります。
※学生の場合はこの添付を省略できます。

この再確認時では、従業員に被扶養者の要件を満たしていることが確認できる書類を準備してもらうケースがあるため、早めに依頼しましょう。

 

■参考リンク
協会けんぽ「事業主・加入者のみなさまへ「令和4年度被扶養者資格再確認について」」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/event/cat590/info220719/
協会けんぽ「事業主・加入者のみなさまへ「令和3年度被扶養者資格の再確認にご協力いただきありがとうございました」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/event/cat590/20220530/

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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